申請する際に生じる疑問

最近流行?の助成金は「業務改善助成金」。

自分のお店(事務所)の最低賃金の従業員の賃金をアップさせるともらえる助成金で、使い道はかなり広いというのはみなさんご存知かと思います。

この助成金の申請を検討する際に生じる疑問、いろいろとありますよね。今回はその中から多くの方が疑問に思う点を10ピックアップして、ご説明させていただきます。

疑問1.「常時使用する労働者の数」は、どのように算定?

パート・アルバイトは週2回勤務や1日4時間勤務などです。

「常時使用する労働者に数えていいの?」という疑問があります。

答えは「数えていい」です。カウントしない人が次のように決まっています。

  1. 日々雇い入れられる者
  2. 2ヶ月以内の期間を定めて雇用されている従業員
  3. 季節的業務等に4か月以内の期間を定めて雇用されている従業員
  4. 試用期間中の従業員

試用期間の方は例外もありますが、これら4種の従業員は解雇予告が必要でない人たちで常時使用する労働者にはカウントしないことになっています。

週1回4時間だけのアルバイトスタッフも「数えていい」わけです。

疑問2.事業場内最低賃金と地域最低賃金の差が+50円以上ある場合にはどうしても申請できない?

「今は出来ない」答えになります。

申請時点で+50円以上でも賃金改定時に差が縮まって+50円以内になった場合は申請可能です。現時点で申請できなくても次回改定で出来るようになるかもしれません。

疑問3.雇用保険に未加入の従業員は対象外?

対象内です。

労働保険は労働者を1人でも雇用している場合には必ず加入の義務がありますが、雇用保険は違います。加入要件を満たさない従業員は未加入でも対象となります。

雇用保険の加入条件は

  1. 31日以上働く見込みがある
  2. 週の所定労働時間が20時間以上
  3. 学生でないこと

です。 ※4か月以内の期間を定めて雇用されている人は加入する必要はありません。

疑問4.1人の労働者が介護と事務など別の業務に従事している場合、一方の賃金を最低賃金にできる?

できます。

所定労働時間の多い少ないにかかわらず最低賃金として申請可能です。

疑問5.実際に賃上げするのはいつ?

交付申請後(提出した後、郵送は労働局に到着した後)から事業完了期日までの間に行えばいつでもかまいません。

※実際の支払は事業実績報告書の提出までに行う必要があります。

疑問6.賃金引上げを2回にわけてもいい?

1回で行う必要があります。

以前は2回に分けることも認められていましたが。令和6年度の申請より2回に分けて行う事が出来なくなりました。1回の賃上げで30円以上上げる必要があります。

疑問7.地域最低賃金の上がる直前にあげるのはあり?

ありです。

地域最低賃金の発行日前に交付申請を行い、発行日前に引き上げる場合は対象になります。

ただし、賃金引上げ日を休業日等に定めて発効日までに支払い実績が確認できない場合は発効日前賃上げとは認められません。従業員の勤務実績が無いために支払いが実施されたかった場合、その従業員は対象外になります。

ギリギリ狙いすぎて認められない、という事の無いようにご注意ください。

疑問8.最低賃金の基準の労働者は3月以上雇用の労働者ということだけど、引き上げる度労働者カウントも3月未満はできないの?

できます。

雇い入れから3月未満でも引き上げる労働者数に含めることができます。

あくまでも基準となる人が3月以上雇われている従業員です。

疑問9.助成金でスマホやタブレット購入はNG?

基本的にはNGですが、例外があります。

物価高騰等要件という要件があり、これに該当する「特例事業者」に認められると乗車定員7人以上又は車両本体価格200万円以下の自動車やパソコン(タブレット、スマートフォン、周辺機器含む)を新規購入できる場合があります。

疑問10.設備投資が賃上げ対象従業員と直接関係ないけど申請できる?

できます。

企業・事業場の生産性向上等により賃金引上げの負担を軽減するのが目的の助成金なので、直接関連がなくても問題ありません。

10個の疑問についてご説明しましたが、申請に際して他にも様々な疑問が生じると思います。

疑問な点は、業務改善助成金コールセンター(0120-366-400)に直接お尋ねになるか株式会社ei-lifeまで。